2014年12月2日火曜日

錦秋の京都を訪ね、西長堀界隈の歴史に思いを馳せて秋の一日 【No.53】

 冬がやってまいりました。6年ほど前に六甲森林植物園で購入した我が家の紅葉は、しょぼくれていて、毎年紅葉か葉枯れたのか判らないうちに落葉を迎えていたのですが、今年は程よく黄色に変わりやっと紅葉らしくなってきたのかと思っています。そこで11月後半の連休に、源光庵・光悦寺・岩倉実相院を巡るバスツアーに参加し、京都の紅葉を楽しみました。人出の多さにはびっくりしましたが、例年訪れる東山界隈とは違った風情があり、京都北郊外の鄙びの中に艶やかさを感じることができたように思います。ちなみに、血天井で有名な源光庵は禅寺で、己の心を映すという丸窓(円窓)(茶席でも茶がけとして円相がかかることがありますが)から見る庭の景色は切り取り効果で一層鮮やかに見えました。実相院は床紅葉が有名ですが撮影禁止でした。きっと初夏の鮮やかなもみじの若葉も見応えがあることでしょう。光の角度と時間も秋の紅葉と、初夏の若葉とでは違うことでしょう。再訪が楽しみです。

http://kyoto-k.sakura.ne.jp/momiji1082.html
http://www.jissoin.com/about/

 

 

 さて、バスの中で伊藤若冲に関する本を読んでいたら、木村蒹葭堂という人物が出てきました。ひょっとして、通勤の途上で見かける大阪市立中央図書館の南東角に立っている碑の人物? 引用:木村兼葭堂は、西区北堀江で造り酒屋を営んだ裕福な町人。通称、坪井屋吉右衛門(1736~1802)と言い巽斉と号しました。自邸の庭に井戸を掘った時に、土中から芦の根が出てきて、これこそ古来、難波江の芦のかりねの一夜ゆえ身をつくしてや恋わたるべき(皇嘉門院別当,千載集)古歌によまれている芦だと喜び自室を兼は(よし)葭(あし)兼葭堂と名付けた。悠々然とした人柄で家業の酒造りを他人に任せて、自分は意の向くまま高雅な文人生活を楽しんだ。(物産・草本等)本草学を得意とし、絵画書、詩、煎茶等他方面に渡り「山海名産図会」をはじめ多くの著書を出版した。これらの研究のために集めた書籍、古書画、金石、標本類は多く、コレクター兼葭堂の名前は中国、朝鮮にまで知られるほどだった。兼葭堂こそ自由闊達であった当時の大阪文化的雰囲気を身に付けた大阪町人学者だったといえる。享和2(1802)年67才で没し、天王寺区餌差町大応寺に葬られ、西区北堀江4丁目の大阪市立中央図書館東南隅に『木村兼葭堂邸跡』の碑がある(大阪の歴史、岡本良一著より):。

 伊藤若冲は鶏の絵で有名ですが貝甲図<動植綵絵>という絵があって、多くの貝が描かれています。兼葭堂自身にも「奇貝図譜」の著作があり、螺鈿の箱に納められている394種の貝類標本箱は彼の収集家としての面目躍如として、伊藤若冲との交流(天明の大火1788年に2回の訪問)があったことが偲ばれます。数万冊におよぶ蔵書家でもあった兼葭堂。そうか!それで大阪市は中央図書館をこの地に持ってきたのかな。むっむっむっ 図書館の裏には土佐稲荷神社があり、神社と酒屋さんは隣の敷地だった?往時この界隈は今以上に活気のあった土地だったのではないのでしょうか。土佐稲荷神社縁起によりますと、引用:江戸時代、大阪の藩邸の多くは中ノ島にありましたが、土佐藩の藩邸と蔵屋敷は長堀川のほとりにありました。当時は土佐からの人や物資を 載せた船が大阪湾から木津川を上り長堀橋まで入ってきていました。長堀川に架かる白髪橋、鰹座橋はこの土佐の商売に深く関わる名称です。白髪橋は土佐の白髪山から伐採した材木を荷降ろしした場所、鰹座橋は土佐の鰹節問屋の並んでいた場所でした。この鰹座橋のそばに古くから神社が祀られていました。土佐藩6代目藩主、山内豊隆はこの神社を祟敬し、1710年、京都の伏見稲荷から 蔵屋敷のなかに土佐稲荷神社として勧請しました。ここから土佐藩邸、蔵屋敷の守護神として崇められるようになり、山内家は参勤の際には必ず立ち寄り敬意を表し、その後の造営修復は何れも藩費をもって奉納していました。境内東参道には、土佐藩第8代藩主 山内豊敷(とよのぶ)寄進の石灯籠一対が今も残っているそうです。

 

 

http://www.mus-nh.city.osaka.jp/collection/kenkado/top_01intro.html

http://nisi.iinaa.net/siseki_minami.html

 北堀江が土佐藩縁の地なら、きっと坂本竜馬も西クリニック界隈の道を、酒を食らって世界に開く日本のあしたを夢見ながら歩いたことでしょう!
 次回はPanasonic社 内臓脂肪計 EW-FA90 (パナソニック株式会社メタボリック・ソリューション・ヘルプデスク 0120-770-634)についてです。発売代理店を弊社が担当しています。お問い合わせは日本医学株式会社ヘルシア事業部 06-6539-1138まで。

 

 

医公庵未翁 記



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