2012年2月13日月曜日

インフルエンザが流行っています ーイクラをあてに寒い冬を過ごすー 【No,29】

 大雪です。過疎化の進んだ日本の地域問題として屋根の雪下ろしがクローズアップされてきました。「雪の降る街を」を歌えるのは除雪の行き届いた都会の若い人に限られるのでしょうか。視界が閉ざされきしみ続ける柱の下には、命さえも吹き消され兼ねない孤独な空間が拡がり、もどかしい暗欝とした冬籠りの時間が過ぎていることでしょう。津波対策と比較はできないものの、豪雪地帯の過疎高齢化に応じた積雪対策にも知恵を絞らなければならないでしょう。ボランティアが出動しているようです。大学教養時代の冬、北海道を独り旅しました。多くの思い出は今となっては宝です。襟裳岬の初日の出を計画したけれど、道が一部崩落したために通行止めとなってバスが行き着かず、結局広尾から様似に抜けて駅前の安宿で大みそかを過ごし、階下で宿主家族の見る紅白歌合戦のテレビを枕越しに聞いた記憶がよみがえります。冬の根釧原野に出かけたい申し出は当時珍しく、釧路の個人タクシーは連れて行ってくれませんでした。粋がった旅好きの若者の今となっては、あまりにも優雅で創られた感傷に甘んじた内容のように思えてきます。

 今シーズンのインフルエンザは子ども園~学童期の年齢を中心にA香港型が急峻に立ち上がってきました。西クリニックではクリアライン®InfluenzaA/B/(H1N1)2009をウイルス検出キットとして使用しています。かつてH1N1-2009pdm流行当時には各社キットを3種類ほど使ってみましたが、感度に差があると実感しました。今回のキットは今のところAH3N2に対する感度は程よいようです。治療薬も現在使用可能な3種類すなわち経口タミフル、吸入リレンザ、そして点滴のラピアクタを常備しています。一回吸入で済むイナビルは在庫の関係で常備していませんが、院外処方の発行は可能です。早期インフルエンザ治療薬の投与は2009pdmの重症化を防ぎ、死亡率を低下させた実績が日本にあります。薬物治療は発熱日数の短縮化が証明されており、社会(就学)復帰を早めます。ただウイルスの排出がまったく零になるわけではないことが強調され安易な早期就学・社会復帰は要注意といわれていますが、ニューラミニダーゼ阻害薬により親元(個体)から切り離されないウイルスの感染力は極力低下しており、公衆衛生学的にも抗インフルエンザ薬の投与を躊躇するものではないでしょう。私はそう考えています。ただ、発症早期には検査キットで陰性になることもあり、臨床症状ではインフルエンザが疑われても検査結果に惑わされることを経験しました。検査キットの感度を踏まえたうえで、そして臨床経過からの診断に確信を持つことが重要と考えています。

 

 

 前々回の南蛮由来ポルトガル語の種明かしをしておきましょう。まずは食べ物から1.confetios:金平糖、2.castella:カステラ、3.tempererar:魚料理→天ぷら、4.bolo:(そば)ぼうろ、5.pao:パン、6.biscoito:ビスケット、7.bateira:小船→バッテラ、8.pons=punch(英):ポン酢、9.cambodia:カボチャ、10.zamboa:ザボン、11.caramelo:キャラメル、12.marmelo:マルメロ、13.pudim:プリン、14.olla(難問):鍋→オジヤ、
 日常品では、15.capa:法衣→合羽(ちなみにマントも葡語)、16.copo:コップ、17.jarro:水差し→如雨露、18.carta:カルタ、19.bot~ao:ボタン、20.vitro:ビードロ(ガラス)、21.orgao:オルガン、22.tabaco:タバコ、23.sabao:シャボン、24.charmela:チャルメラ、25.ransel:ランドセル、26.giba~o:胴衣→襦袢、27.veludo:ビロード、28.raxa:ラシャ、29.saraca:更紗、30.meias:メリヤス(莫大小)、31.tutanga:トタン、32.blik:ブリキ、33.veranda:ベランダ、
 それでは取って置き編で34.ombro:肩→おんぶ、35.letter:文字→レッテル、36.ontembaar:制御できない→お転婆、37.zondag:日曜日(サンデー)→ドンタク、半ドンは半分の日曜日(休息日)、38.pegi:ペケ(×)、39.pauw:孔雀→ぱあ(ちゃん)、孔雀のメスは地味で子育てをしないから? 40.pinta & cruz:諸説あり。ピンはポイントで一クロスは十(一から十まで)、「うんともすんとも」もウン(一)スン(最上級)どちらも譲らぬ第1級から転じたそうです。

 http://www.at-nagasaki.jp/nagazine/hakken1004/index2.html
いかがでしたか、ほとんどがお分かりになっていた答えでしょうか。あるいはホンマ?日本語と違うのというのもあったかもしれません。それほどまでに日本語の中に浸透している葡語です。まだまだあることでしょう。これはというのがあれば教えてください。
 最後に寒い冬に酒が旨いこの頃ですが、酒のアテにイクラはいかがでしょう。イクラはロシア語です!サケの卵は、ロシアでは「赤いイクラ」<(красная икра クラースナヤ・イクラー)と呼ばれ、「黒いイクラ」(чёрная икра チョールナヤ・イクラー)はキャビアのことだそうです。乾杯!

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