2011年10月12日水曜日

天高く、カミサン肥えるの秋 【No,22】

 天災は忘れぬうちにやってくる。でも季節はいつものごとく移り変わり、今年も紅葉は少しの悲しみを引き連れながら、でもそれならば一段と鮮やかに心に沁みる色模様を演じてほしい。

 日経メディカルの10月号インタビューは、冬型感染症をいよいよ迎える時期を狙ってのインフルエンザ記事が掲載されていました。神奈川警友会けいゆう病院小児科;慶応大学医学部客員教授の菅谷憲夫氏の【抗インフル薬の早期治療が世界標準に】と題して、2009年に発生した新型インフルエンザ(今は季節性インフルエンザの亜型)の我が国と世界主要国の統計データの提示と解説(論文発表紹介)がありました。以後はすべてこの記事からの抜粋です。日本は諸外国に比べて圧倒的に重症化と死亡率が低かった事実があります。これは当時医療従事者が実感していた事柄です。新型インフルエンザによる人口10万あたりの死亡数は、米国3.96、カナダ1.32、メキシコ1.05に対し日本は0.15だったそうです。小児入院例に限ってみると致死率アルゼンチン5%、米国カリフォルニア州3%、イスラエル0.6%、日本0.1%。人工呼吸器装着割合はアルゼンチン17%、カリフォルニア州10.1%、イスラエル3.1%、日本1.2%といずれも日本の世界の中でも注目に値するデータを残していたことが分かります。(注:統計にはいろいろの抽出条件があることは理解をしておいてください)
 ではなぜ?その答えの一つとして、発症48時間以内に抗インフルエンザ薬で治療した割合を比べてみますと、アルゼンチン12~13%、カリフォルニア州44%、日本88.9%と格段に早期治療が開始されている日本の現状が浮き彫りになったそうです。インフルエンザ薬については種々の考え方や、マスコミの配慮に欠ける恣意的いや不見識な報道姿勢に左右されているわれわれの思いがあるにせよ、疫学処理されたデータが示す我が国の事実からは、皆保険制度の元に感染症から守られている我が国の実態には感謝しなければなりますまい。
 新型インフルエンザ流行当時は若年層の感染が目立ち、特に企業健診を担当していると、妊婦は別として壮年期の感染や重症化は稀であったように感じていました。型は違っても既往感染あるいはインフルエンザワクチンの接種既往が少なくとも抑止力になっていると考えていましたが、このインタビュー記事の後半にもワクチン生産量すなわち集団接種の実態と小児1~4歳児超過死亡の関係データが提示されていました。1989年ごろよりワクチン生産量が低下し始め(このことは集団接種が少なくなってきた)ついに1995年から学校での集団接種が任意接種に変わって超過死亡がプラスに転じ始めている。1990年代に約800人の1~4歳児がインフルエンザで死亡したと計算されるそうです。1990年代の脳症の多発は学童集団接種中止が原因であった可能性が高く、また集団免疫効果で幼児のみならず高齢者をも守っていたと考えられます。【社会は個人のために、個人は社会のために】がワクチン接種には当てはまるでしょう。

 

 

 さて、体育の日には能勢にクリ拾いに行きました。お昼は松茸すき焼きを食べてカミサンはビールでハンドルキーパーは我慢のスタイルは変わりません。たくさんの栗が拾えました。あとの処理が大変でしょうけれど楽しみです。そうそう、我が家のオリーブは2%苛性ソーダのアク抜きを十分行い、2%の塩水、そして3%の最終塩水につけて冷蔵庫に保管されています。一粒摘まんだところではアクの抜けた程よい塩加減がグラッパに最適の仕上がりでした。カミサンはまだ食していないので、どう評価してくれるか。グラッパを進み過ぎるのが気がかりです。

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