ツアーで気になったのが琉球松のマツ枯れ現象です。深刻な状態にあると思います。あのダンディで凛とした姿勢の琉球松が哭いています。蚊で媒介されるデング熱と同じ仕掛けで、松が悲鳴を上げているのです。マツノマダラカミキリが媒介するマツノザイセンチュウ(マツ材線虫)病という寄生虫感染症の一種です。元々は北米原産種で1930年代にアメリカ産のダイオウマツから発見された体長1mmほどの三日月形で雌雄の区別がある寄生虫です。餌はマツの柔細胞と菌類であり、実験室内では菌類を餌に培養することが可能だそうで、Wikipediaに依ると「ヒゲナガカミキリ属のカミキリムシ(以下カミキリ)の蛹の気門に入った線虫はカミキリ成虫が羽化するまで待つ。カミキリが羽化し、成虫が餌として齧る健康なマツの若枝から健康なマツの樹体内に侵入する。この時期は後述のカミキリの生活環にもよるが、一般に5―8月の初夏~盛夏の時期である。マツ体内では樹脂道を使い移動、交尾・産卵を繰り返しながら増殖する。このとき抵抗性の(松)種では線虫の移動は部分的であるが、感受性の(松)種は全身に移動し分布するようになる。また、線虫の増殖は感受性種であっても最初は穏やか、マツが目に見えて弱り始めてから爆発的に増えると言う。マツは線虫の侵入(感染)から2週間程度で樹脂の分泌が減少を始め、2-3カ月程度で急激な葉の変色と枯死に至る。弱ったマツはカミキリの格好の産卵場所であり、カミキリが産卵に来る。線虫は枯死木の中で青変菌などを食べながら増殖しカミキリに乗り移る機会を伺う。年が明け産みつけられた卵が成長し蛹になると線虫は蛹の気門に潜り込み新しいマツへの感染を繰り返す。」そうです。輸入感染症ですね! http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/nourin/ringyo/byotyu/by-zaisentyu.htm http://www.ggg.or.jp/matugare.html
話し変わって、今シーズンのインフルエンザはH3N2(香港型)が大流行です。私の息子はワクチンを接種したにもかかわらず罹患しました。私が産業医をしている企業でも31名の感染者のうち23名がワクチン接種者でした。まだまだ流行は続きます。今シーズンの日本のワクチンは一工夫あって、H3N2に関してはA/ニューヨーク/39/2012 (X-233A)は、依然として卵馴化による抗原性の変化の影響を受けてはいるものの、A/テキサス/50/ 2012(X-223)ワクチン株よりはその程度が小さいことから、2014/15シーズン用のA(H3N2)ワクチン株としてA/ニューヨーク/39/2012(X-233A)を選定していたのですが、その効果はやはり期待を裏切られているしたたかなインフルエンザの勝利である様です。あっかんべー!敵も然る者です。感染症との知恵比べ。戦いはまだまだ続きます。前にも申し上げた様に、人の勝手、浅知恵=無知、油断=手抜き、打算に忍び込みます。悪意はないとはいえ、このように敵から守りたい大切のものに対して、真摯に立ち向かっていかねばならないでしょう。 ごきげんよう を再び!
医公庵未翁 記
0 件のコメント:
コメントを投稿