さて今日の本題、私の闘病記です。 レンズ核外側線条体動脈の閉塞はBAD(branch atheromatous disease)と呼ばれ、特に25〜30%の患者が入院後にも増悪・重症化する病態です。中大脳動脈から直角に曲がる結構太い穿通枝動脈起始部の閉塞で、内包という錐体路の障害が特徴です。9月10日朝発症、これはひょっとして“詰まった”かの自覚にも拘らず、同日晩に痛飲を繰り返す愚行。そして翌日昼に、顔貌(右口角下がり)と寡黙傾向に前晩からおかしいと心配していた家族から連絡を受けた知人(阪大元看護師長)の電話に背中を押されて、やっぱりあかんのや、と辻務長に申し出た次第。それでもまだ、9月11日午後からの代診を心配したり内服薬(自分用の抗凝固薬)のオーダーをどうしようか迷っている自分が、それは責任感ではなく目の前の難事を矮小化しようとする逃避の擬態にしかすぎない事に入院中気がつきました。初めての入院生活で持続点滴(アルガトロバン、プラビクス、プレタール(内服)、エダラボン、低分子デキストラン)5日間を受け、病院食配膳、点滴の交換、ナースコールの反応、看護師の個性等を入院生活11日間で経験する事ができました。発症の背景には、いずれも軽症の糖代謝異常、脂質異常、治療中の高血圧(コントロール不良)があり、直接的には前週3日続けた深夜に及ぶ飲酒と脱水の様に思います。幸い重症化しなかったのは高中性脂肪のために服用していたエパデール(EPA)のお蔭ではないでしょうか。現在アマリール、テネリア、ミカルディス、ゼチーア、エパデールS内服で血液検査は正常化し血圧は105〜125にあります。飲酒は週1回ほどの休肝日が意図せずにありますがほぼ毎日、平均12g/日のアルコール量になっており、積極的な飲水を心がけています。 入院中に涙した事は1回、何ら疾病で寝込んだ事無く、健全な思考回路を誇っていた脳がバグって傷物になった自分を自覚した事でした。しかし考えればそれは何でも自分がやらねば、否それは何でも自分でやれるという思い上がった自意識の裏返しでした。入院当日の代診はいつもの先生が急遽務めてくださいましたし、約2ヶ月間の西クリニックの診療体制は事務長によりきっちりと組まれていました。 当然の事とはいえ独り相撲の思い上がりが血圧を上昇させていました。酒好きとはいえどこかに酒に強い自分という自慢があったのでしょう。その事に涙すべきでした。 世の中、助け合って生きている事は頭で分かっていたのを、自分自身で実感できた今回の入院生活でちょっとは謙虚になったでしょうか。そして人にはうんと優しくしようと思っています。西クリニック受診者には更に満足していただけるよう茶道の一期一会の精神を忘れず、できる限りの言葉がけと聴く耳を澄ませましょう。わがままと思い上がりそして妙ながんばりが、かえって皆に迷惑をかけた今回のエピソード。という事は、これから仕事はさぼり気味に手抜きを心がけ、頼まれ原稿等は期日は守らず、せかされてやっと腰を上げるようにし、ストレスを避けて血圧の上昇を極力防ぐ事とします。早出は道路事情から仕方ない事として、退勤はあれっもう先生帰ったの、を励行する事とし、さらに代診をお願いして、美術館や展覧会はたまた数日間の旅行計画を実行してみましょう。 質を落とさず、もうしばらく働けるかもしれない自分自身の健康管理を最優先、実行していく事は案外に難しいかもしれませんが頑張ってみます。ちょっと頑な性格のまま。
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