2017年4月13日木曜日

NAFLD & NASH -今年は桜の開花が遅れました-   【No.70】

 2017年の桜は開花が遅れていました。おかげで関西地区の入学式にはピッタリだったようですが、卒業や異動の3月末には固い蕾のままで、肩に舞い落ちる花びらはなかったことでしょう。我が家の庭ではパンジー・フリージヤ・チューリップ・ラナンキュラスが咲きそろい、去年植えたしだれ桜にも20輪ほどの花がほころびました。野鳥の餌台に来るのは雀ばかりでゼリーにはメジロがつがいで飛んできます。ヒヨが一時ゼリーを狙って飛来、体が大きいのと頭のボサボサの毛がいつも寝起きのようで、声が大きく糞の色がえげつないので、ヒヨを観ると追っ払っていました。大阪西クリニックのご近所(たちばな通り元銘木店)も、屋上に置いていたボケの植木鉢を道に降ろして居られてヒヨにやられましたと口惜しそうでした。まっ、人間の身勝手でメジロもよく観ていれば何を考えているのやら目の縁の白さは素敵なアイシャドウには観えません。去年は鶯が2度ばかり来たとカミサンがいっていましたが、鳥も今年は遅れ気味かな。七十二候では玄鳥至り(玄鳥来る=ツバメ飛来、4月4日)て鴻雁北(4月10日)へ移動の時期ですが、まだ神戸ではツバメを見ていません。保久良神社祭礼(5月連休)の寄進お願いの案内が着ており、花冷えの朝晩ですが、寒い冬がいつの間にか過去になっている今日この頃です。
 昨年暮れからのわが飲酒歴は、2013年9月の脳梗塞以来量・質とも最高のレベルに達しています。そろそろ2014年の年賀状に記載されていた我が既往歴も他人にとっては記憶から薄れ、一見元気そうに見える小生の言動から、美味しいお酒が手元に届くようになって、それが呼び水となり、カミサンと二人での晩酌は毎晩の現状。富みに腕を上げている昨今のカミサンはズンバで飲酒によるエムプティカロリーを相殺する術を発見していて、まずは酒瓶の封を切ると味見役は彼女。ウイスキーもスペイサイドのシングルモルトがお気に入り(バーでいつものと目配せさえすればかっこいいバーテンダーがシングルストレートで出してくれるのに憬れている彼女ですから)で、せいぜいアイラの入り口ぐらいのスモーキーさが許容範囲でしょうか、自宅では強いピートは飲めません。本山・岡本界隈では、イタメシ関連で数件のいきつけのお店がありこれまた美味しいワインをしこたま飲んでいます。ルッカ、アルバそして残念ながら3月末で店仕舞となったカバルッチョベルデ。ここで催された数回のワイン会ではたまたま合席となったHさんご夫妻がワイン通とあって会の都度ご一緒し、閉店お名残惜し会では相当量のワインを空けて帰りは少々千鳥足気味。忘れられないお店となりました。シェフの再起を願っています。
 加えてご当地お馴染のバーは「月の家」。ビール、ワイン、カクテルそして蒸留酒(ブランディかウイスキー)がいつものコースで、冬には兵庫県坂越の生牡蠣にアイラのウイスキーをわずかに振りかけて食べるのが絶品。オーナーバーテンダーIさんの出身地が兵庫県竜野とあっては、相生生まれの小生としては通わないわけにはいきますまい。そろそろIさんのご母堂朝掘りのたけのこがメニューに上がるかな?料理も楽しみなバーです。ここでの仕上げはピートの香りの強いタリスカー、ボウモア、アードベグです。最近芦屋駅西北に月の家から独立して「バーF」が開店しました。オープンの日に一番乗り。途中下車しなければならないのが難点です。そうそうもう1軒、先日大阪天満天神繁昌亭での“好職5人男”落語会の帰りには本山駅近くの「バルガンチャン」に寄りました。ここは岡本石畳ボーイズのメンバーのお店で、イケメン揃いのスタッフがサービスをしてくれます。ジビエのエゾシカを一頭買いしたとかで腿肉とフィレの一皿は絶品、楽しいお店です。
皆様はHPでお楽しみください。
https://tabelog.com/hyogo/A2801/A280105/28000498/dtlmenu/
https://tabelog.com/hyogo/A2801/A280105/28006891/
http://ameblo.jp/dining-bar-tsukinoie/
http://ameblo.jp/kobeashiyanettv/entry-12067275304.html
http://kobeokamoto3096.wixsite.com/ishidatamiboys/blank-ppfxp

 最近健診で悩んでいることがあります。生活習慣病~メタボの病態の一つであるNAFLD~NASHの判定についてです。NAFLDは非アルコール性脂肪肝、NASHは非アルコール性脂肪肝炎でごく簡略に説明すると、アルコールを多飲しないにもかかわらず過剰カロリー摂取、運動不足により明らかな脂肪肝所見がみられ、通常NAFLD → NASHへと病態は進行して、ゆくゆくは肝硬変、肝癌の発症リスクが証明されて居り、最近医療界で注目されてきてる病態です。健診をしていても単にメタボ・脂肪肝・内臓脂肪の言葉はそう違和感なく一般に認知され、酒は飲みませんが運動不足でとにんまり笑う本人にじゃ頑張ってくださいで健診が終了することが従来のやり取りでした。確かに脂肪肝の酒飲みはいいわけとも自業自得と多少の後ろめたさも手伝って先手必勝とばかり「休肝日作ります」と言われることが多いのですが、世間一般の指導と違って必ずしも休肝日が身体にいいというエビデンスは見当たらず、私は体内時計の観点から、休肝日反対派なのです。だって曜日は人が勝手に作った7日リズムであって、曜日まで計測している体内時計はないはず。なまじの休肝日は体内時計(24時間のサーカディアンリズム)を欺き、休肝日の翌日の飲酒は肝臓にとってだまし討ちと説明をしています。酒飲み共通に良い話を聴いたと喜ぶ方が多い様ですが、これはいけないと思いつつも小生の信念は曲げません。だから、『ただし! 週に飲む量は一定だよ。休肝日で飲酒量を減らすつもりなら二日の休肝日として5÷7を毎日、肝臓に今から飲むぞ、今日もがんばってやと声をかける。肝臓をいたわりつつ感謝の気持ちを忘れないで』と追加することを忘れていません。
 酒を飲まないのに~あるいは一日純アルコール20グラム(日本では1単位、日本酒1合相当)以下の飲酒にもかかわらず肝臓にたまった脂肪は悪さをすることは一般にはあまり知られていません。だから健診でその情報をお伝えしなければならないのですが、判定基準が今の世の中にはないのです。ないのがある意味では当たり前とも思います。エイヤッの線引(基準値設定)は健診ではあるいは既病ではない未病の段階では特にすべての病態で難しい! でも巡回健診も含めて説明なき結果の機械的返却は避け寄り添う健診を目指す弊社としてはできる限りの知恵を絞って個人になるほどと思うコメントは返さなければならない。今本社の担当者と検討してパイロットスタディーをやってみようかと話し合っています。肝機能検査:ALT>AST,γ-GTは必須として他の諸因子(要件)の組み合わせを模索しているところです。
 全ての治未病(一次予防)で忘れてはならないのが遺伝的背景、家族歴、成育・環境歴(生い立ち、職業、家族背景、生活習慣等)の分析。集団の解析結果を偏差値ではじき飛ばすEBM手法だけでは個人(個性)が抹殺され金太郎飴として扱われてしまいかねません。アメリカのオバマ前大統領が目指したThe Precision Medicine Initiative の実行に向けての諸問題はまさしく健診の場でも考えていかなければならない課題なのです。全ての医療領域に置いてEBM(evidence Based)とNBM(Narrative Based)の兼ね合いが今後ますます重要となって来るに違いありません。これからはますます正確な知識とデータの分析に加えて、医師個人の情熱と信念、誠実さが試される時でもあります。

 春爛漫、【夢見て行い、考えて祈る】 故山村雄一先生のお言葉です。

医公庵未翁 記



0 件のコメント:

コメントを投稿