2016年11月29日火曜日

未病システム学会開催の九州北部紀行 その1  -唐津の曳山、イカの目玉、鍋島草花紋-   【No.68】

穏やかな小春日和の日は少なく、無理やり暑い夏を押しのけて冷える秋の到来です。その御蔭でしょうか一気に樹冠から紅葉は樹全体に広がり昨年よりも色鮮やかな錦秋の頃となったようです。直近京都を訪れたスタッフによると、紅葉しかけた時季の小雨のために葉先が巻いていて一枚一枚のポッテリ感がなかったそうです。今更の冷雨は秋の寂しさを増すだけでしょう。実際に20日京大宇宙落語の会に参加するのを機に八坂さんから平安神宮まで歩いてみて紅葉の葉先の黒いのが気になりましたが、知恩院あたりの銀杏とイロハ紅葉のコントラストの一箇所はポイントとしては秀逸でした。
第6回京大宇宙落語の会は豪華な内容でしたよ。宇宙飛行士土井隆雄さんがメインゲスト(でも4月から所属が京大だからゲストではないか)桂福丸さん、笑福亭たまさん(いずれも京大出身の学士落語家)、花山天文台長柴田一成教授(太陽フレアーの世界的権威)、それに夢多き学才の磯部洋明準教授のトークショー、落語3席はなかなかの内容でした。皆さん!花山天文台が存続の危機にあります。伝統ある研究施設は地域に根ざしています。ハードの消滅は心と歴史を閉ざし忘却の彼方へと文化を抹殺して行きます。
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/kikin/

関空を巻き込んだ麻疹のつむじ風もアメリカ大統領選の大嵐で忘却の彼方に去り、かわいげに今年のインフルエンザの流行を心配し始めている関西です。昨年はインフルエンザの流行が2週間ほど例年より遅かったのですが、今シーズンの沖縄のタイミングを参考にすれば早めに関西でも流行るのではないかと推測されます。大阪公衆衛生研究所の週間予報でも40週からじわじわ右肩上がりで45週(0.1→0.51)その勢力を確実に広げつつあるようです。今年のおたふく風邪は流行が続いています。いよいよ冷え込んでくると牡蠣のシーズン到来です。少し立ち上がって来た感染性胃腸炎は小児を中心の流行のはずなので、海域の汚染は微々たる程度のはずなので、旬を迎えてさっそく少量殻付牡蠣(北海道温根沼産)を発注し、届いたボージョレーで初日蒸し牡蠣として楽しみました。二日目は酢牡蠣と焼牡蠣にしようかな。今年は兵庫県の坂越・相生あたりの牡蠣は豊漁のようで楽しみな季節となって来ました。

大阪新町にある京町家高津屋さんでの落語(桂福丸さん)とライブの会まで一週間ほどとなりました。福丸さん高座の開口一番を務めます。個体内変動と未病について持ち時間30分です。長野からB4版の紙芝居台を買ってPPTからA4プリントアウト→B4拡大カラーコピーで何とか様になりました。前ページ裏に要点等を書き込んで出来上がりです。「未病の主人公はあなた」というタイトルにしてみました。会の後のワインとお料理が楽しみです。http://cafe-kouzuya.com

日本未病システム学会の第23回学術総会が去る11月5・6日九州大学医学部百年講堂で、公益社団法人久山町生活習慣研究所代表理事清原裕大会長のもとに開催されました。テーマは「健康寿命の延伸と未病」です。プロシ-ディングの表紙を飾るのは太宰府天満宮の社と中村学園大学図書館蔵の貝原益軒坐像の掛け軸で、益軒誕生日12月7日を未病の日とすることが福生理事長から今大会社員総会で宣言されました。そして清原会長講演は「日本人の生活習慣の時代的変遷と今日の課題」でした。    そのHPからの抜粋です:
久山町研究は、九州大学と久山町の共同事業として、半世紀の歴史を有する我が国を代表する生活習慣病の疫学研究です。この研究は大学と町住民の相互理解と信頼に立脚し、世界に類を見ない精度を誇っています。
また、九州大学病態機能内科学(旧第二内科)は、北部九州全域にわたる関連病院を中心として質の高い医療を行うとともに、大規模臨床研究および基礎研究を実施しています。
当研究所は、久山町研究で築き上げた様々な知見を活かすとともに、関連病院における患者集団を対象にした臨床研究を推進してその成果を実用化し、生活習慣病の一次予防、二次予防を通じて国民の健康福祉の向上に貢献するために設立されました。(下線は白髭)
  http://www.hisayamalife.or.jp/
お料理に造詣の深い方なら久原本家茅乃舎をご存知かもしれませんね。実はこのお店久山町にあるのですよ。私は久山町を以前から未病の立場から日本のコホート研究として注目していましたが、出汁の茅乃舎は1~2年前の知り、美味しい秋の土瓶蒸しやお正月の焼き雑煮(我家ではなべに残ったお餅が出汁とあいまってどろどろになるのが正月昼食の定番)ために数回購入しています。

福岡の学会5/6日を間に挟んでカミサンと北九州1泊2日の小旅行に出かけました。前半は唐津、後半は柳川です。
カミサンは佐賀県神埼郡吉野ヶ里町にある国立肥前精神医療センターの看護学校出身で、中島みゆきコンサートに時々一緒に出かけている同級生Y(母校現職)さんに声がけを旅行前にしていました。唐津なら同級生のHさんが唐津市内某病院看護師長でいるからということで唐津「汐湯凪の音」ロビーで落ち合い、十分変わっているのに変わってないね~でたちまち40年前の看護学生トリオになってJR筑肥線の電車で唐津市内に向かいました。Hさんとは卒業以来の邂逅だそうです。旅行計画前には気付居ていなかったのですが幸運にも3日は“唐津くんち”の日だったのです。Hさんの現地ガイド案内で、整列した曳山を見て、その巡航では曳山が90度引き回されるところに陣取ることが出来、偶然にもとても満足した、唐津くんち観光となりました。
翌4日は呼子イカの活造りそして伊万里(大川内山)を回って福岡投宿です。大川内山では猪口を二つ買いました。一つは伊万里焼清海波(泰仙窯)もう一つは色鍋島草花紋(岳山窯)です。柴田岳山窯の女将さん(ご本人も絵師ですが)との佐賀弁丸出しの会話が、というのもウチのカミサンが少しずつ熊本弁のイントネーションになっていくので違和感が薄れてくるのでしょうね、私には「銀だ銀だ」と聞こえるので絵付けの話しかと聞いていたのですがこれは、「~ぎんた」=~すると という表現らしかったのです。カミサンは後でうわっ~懐かしい(か~)~=(これは熊本弁)、Yさん(生粋の佐賀県人)との看護学校当時の会話を思い出す!と叫んでいました。なお、唐津で買ったHさんご推薦の限定大吟醸“古からつ”は超旨い! 伊万里の猪口に注いで秋の味覚を楽しんでいるところです。
                       (つづく)

医公庵未翁 記



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