2012年11月27日火曜日

白鷹に酔い、松坂牛のコロッケを頬張るお伊勢参りー第3回 【No,39】

今日は小雪。今年の櫻の紅葉は例年になく紅色が濃く鮮やかなような気がします。温暖化に伴うのでしょうか、強力な台風・サイクローンやゲリラ豪雨に悩まされ、天変地異にはあきらめがつくものの、人災ともいうべき政治の混乱、移り行く犯罪内容の凶悪さとかかわりの薄さに軽んじられる命、でも、鮮やかさは世情とは裏腹に我々に忘れている自然への畏敬を改めて教えてくれるようです。

  スケッチ旅行の初日は夕食後に少しアルコールが廻って、個性豊に並んだ絵を和気あいあいに講評します。熱心に通って枚数多く書いておられる会員はそれなりに安定した絵が完成していますが、3人娘の絵はどこか頼りなげに映ります。遠近法と色の出し方がそして筆遣いが定まっていないからかな、理論ではなく自然に運ぶ~手が動くことが大切なのでしょう。さて翌日、本来ならばスケッチ旅行二日目なのですが、全員集合写真を朝食後に撮って、終日お絵描きの他のメンバーを送り出し、我々は伊勢参りに出かけました。大王でタクシーをハイヤーし、伊勢神宮に向かう予定です。まずは波切港でお土産の買い出しです。干物と貝、特に緋扇貝は小粒で濃厚な味のイタヤガイの仲間でアッパ貝、ばたばた、チョウタロウ等の異名を持ちます。香ばしく焼いて酒の肴には最適。大アサリは澄まし汁にそして烏賊の一夜干しは身が厚く主食にもなりそうです。この買い付けはわたくしの目的の一つだったので大満足の波切港を後にして、パールロードに入りました。道の両側は適度な高さのブッシュが生えていて、リアス式海岸が思ったほど見えません。年々ブッシュの背が伸びて視界がどんどん悪くなっていくようです。途中有名な赤い的矢湾大橋は無粋にも修理中、それならばと今流行りの相差(おうさつ)パワースポットの神明神社に直行しました。なんと!列をなして若い女性がお参り中に、さすがの泉北娘も圧倒されたのか、いまさら一つの願いを叶えてもらうほどには人生の艱難辛苦を舐めてきた齢に迷いはなく、御神籤をひいての早々の退散となりました。途中定番の鳥羽展望台から透き通る空の下何処までも続く海の対岸の伊良湖岬に流れ付く椰子にお思いを馳せ、国崎、安乗崎、大王崎の灯台を遠望しました。季節は10月。淡い希望を抱きながら麻生の浦大橋を過ぎてしばらく岬に上がるとなんと、牡蠣ありますの看板が見えたではありませんか。急遽車を止めてもらって、今シーズン初めての生ガキ、焼きガキにありつくことができました。これで目的の二つ目ゲットしてコーディネーターの元気がよみがえって来ました。   鳥羽、二見浦と周り、伊勢の駅前の「ちとせ」さんで伊勢うどんを食べた後、内宮さんにお参りして、いよいよ修学旅行気分となった我々はおかげ横丁で若返り、白鷹のお店でテイスティング。これは伊勢神宮御用達のお酒の銘柄で、「塩」で呑むところがいかにも飲助になった気分で三人娘の頬もうっすらと上気し、さすが冷凍でない作りたての赤福は美味しいと納得してあっちの店こっちの店と行きかう人を避けながらおばちゃん歩きで横丁を楽しみました。松坂牛!と叫んでいたIIさんの要請で、コロッケと牛マンを頬張り、傑作写真が撮れました。この2品を騒々しくてごめんなさいの気持ちも込めて朝からお世話になっている40歳独身の男性運転手さんへのお土産としました。帰りの電車でワインを1本空け、スケッチ旅行は無事終了となりました。

 

 

いかにも飲助のお伊勢参りの内容は以上3回の連載でお分かり頂けたと思いますが、神様も朝からお酒を召しておられるのではと思います。飲酒運転はもってのほかですが、外国のドラマではオフィスでよくウイスキーやブランディが供される場面が出て来ます。お酒がふしだらではなく、呑む人間がふしだらでは、お酒が可愛そうとさえ思います。伊勢神宮の大御饌に清酒が選ばれたのは大正13年で、この時に白鷹が全国の清酒の中から御料酒として選ばれたのだそうです。白鷹酒造は灘五郷の一つ西宮郷にあり、創業150年を迎えて精良醇美のお酒を誠実に造り続けている造り酒屋さんです。大御神は大正13年から?それまではお酒を召し上がられなかったのでしょうか?内宮さんは天照大神を祀っています。長い間御辛抱なさって、今は朝からお召し上がりになっているのかな。よかった。きっと少しおなかが出て、メタボに向かわれているのかもしれません。「直会」は神饌のお下がりを頂き、神様と人との一体感を感じる敬虔な宴。でも、運動不足にはくれぐれも注意が必要です。ここで御神饌についてちょっと調べてみますね。日本の食のあり方に触れることができるかもしれません。結果はコラムでご報告します。

来年は伊勢神宮の第62回式年遷宮です。式年遷宮の制度は、今から約1300年前に第40代天武天皇がお定めになり、次の第41代持統天皇の4年(690)に皇大神宮の第1回目の遷宮が行われました。以来長い歴史の間には一時の中断(戦国時代)はありましたが、20年に一度繰り返されて来ました。今回の遷宮行事は平成17年5月に執り行われた山口祭、木本祭に始まり遷御、奉幣、御神楽に至るまで30に及ぶ祭典・行事が来年に向けて行われています。その内12の主要な祭典については、日時等につき「御治定」(天皇陛下のお定め)を仰ぎます。御神領である伊勢の地元民を中心とした国民参加の行事として「お木曳き行事」「お白石持行事」が行われ、平成25年秋の「遷御」の儀斎行を目指してしめやかに進行中です。近鉄の新特急青い「しまかぜ」が来年3月から走ります。牡蠣と真珠そして伊勢エビが一段と人気を博し、伊勢志摩地方にパワーが集中しそうです。

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