次々と橋の下をくぐり、淀川三十石船の船着き場である八軒屋(熊野古道の出発点でもあります)、天満橋を過ぎたあたりで待ちに待った花火の打ち上げが始まりました。これこれ!この腹にズドーンと来る低周波の波動が堪りません。街の中で上げる花火なので玉は小型だそうですが、打ち上げの音、はじける音、しゅわしゅわと弧を描き模様を造る音などがホテルの室内からみる花火とは比べものにならない圧倒感を持って体中に響き亘ります。“動”の他船に比べて“静”でなければならぬ御鳳輦船及びその供奉船ではありますが、花火が上がり、酒がまわればもう乗船者の祭り気分は最高潮。飛翔橋あたりから下って来る奉拝船の御挨拶を受ければお返しは御祝い事のマナーの一つとして、講員の方の掛け声とともに上手になったお大阪じめを連発しました。 この大阪じめのリズムはテレビで先日見た博多祇園山笠の手締めと同じ2・2・3(二拍子二拍子、4拍子の三拍目休み)の打ち方です。でも大阪とはテンポが違う。博多は威勢がよくとても早い。皆様も一度手を打ってみてください。“タタン・タタン・タタンがタン”のリズムは電車の音に似て快適です。三三七拍子はポピュラーだけれど、う~ん、合いにくい大阪のリズムとテンポは何なんだろう。大阪じめにはなじみが薄くいまひとつ盛り上がらない感覚で、確かに最後の三つ目の間の取り方がついタンタンタンと休拍なく連続三つ打ちたくなるのでしょうか。 ではここで大阪〆「打~ちましょ タンタン。もひとつせ~ タンタン。祝うて三度 タタン・タン」 http://www.youtube.com/watch?v=UTe6ijP0cCw 案外慣れてくると妙に人懐こく、愛すべき手作業に思えてきます。これは祭の雰囲気だけでもなく、酒のためでもない、大阪地方の人の息遣いなのでしょうか。毛馬の閘門あたりまで遡上して川面に映るかがり火をUターンし、帰途、あ~残念だ。最後の打ちあげ花火が、川の曲がりで音だけしか伝わらず、今年の天神さんは終了となりました。いつもよりは打ち上げ花火の数は5000発から3000発へ減少して、奉拝船もこころなし数と派手さが無かったようです。頑張らねば日本。 さてメタボ健診が平成20年に始まって今年で4年目の正念場を迎えています。高血圧症、脂質異常症、糖代謝異常等各疾患のアップストリーム(上流)に位置するメタボリックシンドロームを早期に健診で見つけ健康指導のもと行動変容にて下流にある、生活習慣に依拠するがん、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病等を予防していこうというのが特定健診の目標です。 一方内田樹の「下流志向」、林真理子の「下流の宴」等の著書が注目を浴びる時代です。資本主義であれ社会主義であれ、人の社会に現存するヒエラルキーに伴う、上流・下流の意識はぬぐい去れるものではありません。経済並びに人の存在様式は机上の理論だけでは御しがたく、バブルでは倫理学、不景気には心理学で対応しなければならないというのが私の持論です。イルージョンでしかない平等思想を義務と権利の上流志向としてではなく、権利請求のみの下流発想を教育の原点においてしまえば、多くの人が結局最下流に辿り着く滞留社会現象は必然。あがきの無い上流志向を醸成する社会の芽を着実に作り上げていかなければ、日本の頑張りは空転してしまう事になるでしょう。ふとそんな思いを巡らせた天神さんでした。 http://www.tenjinmatsuri.com/other/index0 http://web1.kcn.jp/tkia/td/nenpyou.html
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