2020年9月1日火曜日

コロナ感染症(COVID-19)の諸相 – with&without corona - 【No.83】

 

今年は梅雨明けが遅く、とたんの猛暑で暑さを吹っ飛ばすイベントも制約を受けていて、なんとも鬱憤の晴れぬ8月が過ぎてしまいました。6月から再開している健診では、人それぞれにコロナの影響が異なるようです。在宅ワークで体を動かさなくなり体重が2〜3ヶ月で3〜5kg増加が当たり前のように思われます、が、むしろ体重が減っている方が結構おられるのです。さすが減少している方の年齢は増加している方の年齢に比べると10歳ほど若いのが特徴でしょうか。第一要因は飲む機会が単純に減ったということで、2kg程度体重が減少していて中性脂肪やγ-GT、尿酸値当たりがわずかに低下している事が多い。さらに3〜5Kg体重が減少している方は、脂肪肝傾向が改善し、健診での会話「だって先生通勤時間が減ったでしょう、テレワークで在宅ですもん」「体重増える理屈では?」「だから先生!散歩する時間ができたし、家でゲーム遊び、YouTubeで運動プログラム、ガンガンやったら体重減るんですよ」「なるほどね」 そうか、それは素晴らしい! PCVDT)作業で座りっぱなし症候群が問題になって来ている現代オフィスでは、大袈裟にいえばトイレタイムと昼食期にしか体を動かさない。飲み会があって通勤に時間がかかれば遅い夕食すぐ就眠となれば内臓脂肪は増えるばかり。原稿書いている後ろで“地獄の19分”に汗を流しはじめたカミさんが居るぞ! やれスクワット、リズムがいいな~ 気分が乗るぞ~ 

これからのオフィス、ラジオ体操+αの運動時間を午前午後に設定して早めの退勤、勤務時間の見直しで生活様式を大幅に見直さなければならないようですね。コロナは不健康ばかりをもたらしているわけでもなさそうと健診では感じています。

 

コロナ感染は急性新興感染症から漫然とした市中感染症の時期に移行していて、マスク着用の効果が検証され多少の抑止力になっているとはいえ、これも、医学検証としてはインビトロの実験データ的検証であり、着用地域と非着用地域での明らかな差(ダブルブラインド)としてのいわゆるインビボの実証は得られず、効果を信じるメンタル作用が付加価値を加えて、実際のマスク素材からかけ離れたファッションの領域に移ってきているように思えます。実効性からシールドも併用されて、着用していないことによる白眼視、行動制限まで強制されて、次元の異なる感染対策になってしまっている現場に直面することも少なくありません。

 

繰り返し述べていること、すなわち

「感染症は、(善意)に満ちた無知・無関心、悪意にあふれた意図(テロ)、そしてその多くはイナーシャ(慣性、油断、手抜き)人の弱点・傲慢さ・ズルさなどの綻びを見つけて容赦なく侵入してきます」 

社会の欺瞞を浮かび上がらせると言っても良いでしょう。折しも、安倍総理辞任で政治が動きはじめます。不躾な発言、ヘイトスピーチ、公的発言が憚れるような汚い言葉、信頼性に欠けるエビデンスのない流言飛語等はSNSで発し易い傾向にあるようです。#(ハッシュタグ)の世の中で、言葉を選ぶ・言葉を大切にする、否、人への思いやりの気持ちが下がってきているのでしょうか。

官邸に力が集中しだしたのは中曽根首相の時だという見方があるようですが、その熟れた姿が安倍政権だったといえなくもない。民主党の政権失敗からそれに便乗する形で数に物言わせて官邸が1強を最大の凶器と化し、独りよがりに実行されてきた安倍政治が、突然ポトリと枝から落ちた。そんな感じがします。一強だからこそ、審議を尽くし、情報公開し、納得いく政治様式が摂れたはずと考えるのは素人の考えなのでしょう。

結局は “人“

 人は、人の上に立ちたがり、人の下に人を作りたがる。

 

コロナのトンネルは長い。出口はまだ見えません。

 

そうそうコロナの影響と思われる健診でもう一つ気になる事が血圧です。何か重苦しい世の中、感染の不安・経済の成り行き(会社・家庭)が心に影を落としていて、暑い夏の日が続き、交感神経の緊張が続いているのかな〜、5〜10(特に拡張期)上昇気味の方が散見されます。要注意。

 

私事ですが、この6月から弊会の心斎橋クリニックにて週1回健診業務を担当しています。男性受診者担当です。この心斎橋クリニックは男性と女性フロアーが分けられているのが特徴です。大阪西クリニックはアナログ様式に対してデジタル化された様式で運営されています。そうは言っても、いくら健診といえども、個人の生活背景をデジタル化するには限界があり、自由記載(医師コメント)欄にできるだけ個人の大切かつ固有の、すなわち前回受診から1年間情報を集約手短に記録しておくかに、院長共々苦労しています。その人となりが窺える情報を感じ取る医師としての感性を磨いておかなければなりません。個を大切にする健診もこれからは大事です。

更地の花火 

その1 仮住まい3階から眺める裏山

灘の一つ火保久良山 

その2 保久良山を中心に右手;金鳥山 左手;七兵衛山

右金鳥山、左七兵衛山、中央鳥居保久良山
 

残暑真只中の今は熱中症とコロナ、秋口になるとインフルエンザを始めとする在来のウイルス感染症に紛れるコロナと、新たに取り組まなければならない実臨床そして健診での工夫が頭の痛い予測されるこれからの事柄です。弊会ではコロナ対策本部会議を中心として注意深く最新の情報を集積評価し、安全で、安心できる健診環境の整備を図っていく所存です。

 

皆様そしてご家族の皆様 注意深くけっして妥協(イナーシャに溺れず)せず 頑張り続けましょう!


医公庵未翁

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