2013年5月18日土曜日

H7N9 風疹 そして連休紀行その1 【No,44】

 5月の連休は幸いに西日本はお天気に恵まれました。巷では国内での風疹感染症、中国でのH7N9インフルエンザの発生等、そうそう、あまり知られていないかもしれませんが、中近東そしてそこから飛び火してヨーロッパ大陸では少数のコロナウイルス感染症(国内でのSARS騒ぎは十年前でした。台湾医師が大阪から兵庫をツアー縦断した後帰国して発症した事実を覚えたおられる方は少ないかもしれません)が不気味に、虎視眈々と人の油断、粗雑、無知に便乗する機会を狙っています。昨年8月に沖縄を中心にインフルエンザの小流行が見られましたが、今年は私が産業医を務めている某学校法人の中高で5月中旬に学級閉鎖がありました。全国的には定点あたりの報告数が今週増えたようです。また、感染性胃腸炎も、かつての猛威というほどではありませんが、大阪府内ではコンスタントに発症が続いています。これらの例年と少し異なる動きは太陽の黒点活動と関連しているのでしょうか。桜の開花時期のずれと案外に連動して我々人知の浅はかさをよそに、自然界の命は連鎖して大きなうねりを示しているのかもしれません。侮らず真摯な個人の行動が感染症には効果的な公衆衛生対策の基本です。この点、日本人の危機時の対応は諸外国の中でもモデルとなるでしょう。

 中国におけるH7N9の新規発症は鈍化してきているようです。H5N1トリインフルエンザ発生時の我が国における養鶏集団処分は圧巻でした。この処置は過激なようですが感染源を断つ感染症としての基本対応としては適切なのでしょう。これが他国で執れるものなのかどうか。西方に位置する中国の我が国への影響(黄砂、PM2.5、各種感染症など)を種々考える時、不安を禁じ得ません。要は人!自然に対する畏怖の気持ちと誠実さ。これは思想、宗教、行政に左右されてはなりませんが、しかし歴史と生まれた環境に自ずからタガをはめられているのが時代を生きる“人”でもあります。

 今回のインフルエンザに関しての中国政府の情報公開は速やかでした。おかげで、遺伝子情報、ウイルス株の供与により日本国内で独自の研究とその結果が公表され、我が国においては時機を得た行政対応に結びついたようです。本年5月6日にはH7N9が従来の5類104種の感染症に加えて外付けの指定感染症になりました。ゆくゆくはH5N1トリインフルエンザあるいはSARSと同じく2類感染症に入るのかもしれませんが、人から人への感染がまだ弱いウイルスの変異であれば、局在感染症として消える可能性もあるでしょう。新興あるいは再興感染症は常に我々を脅威に陥れる可能性があるのです。H7N9は、生体に取りつくヘモアグルチニンの構造からは、より下気道への侵入が想定され、肺組織への直接損傷からARDS(急性呼吸促迫症候群)発症の危険性が高いことや、ウイルス増殖に必要なポリメラーゼが高体温の鳥から人の体温に適合し易い変異を持っていること、しかし幸いなことにノイラミニダーゼ(ウイルスがヒト細胞からの巣立ちに必要な縁切り鋏役の蛋白切断酵素)阻害薬(抗インフルエンザ薬)はなお有効であること等が今までに発表されています。ただ、下気道感染の実態を考えると、治療薬剤形は吸入薬よりも全身投与型(内服、点滴)の剤形の方が効果的と推測されることも現時点では述べられています。

 一方国内では、風疹が東京・神奈川・千葉・埼玉、そして大阪・兵庫の大都市部を中心に全国規模で近年に無い大流行です。通常は稀有な先天性風疹症候群も昨年流行期から現在まで大阪府で既に2例発生しています。
http://www.nih.go.jp/niid/ja/rubella-m-111/700-idsc/3516-rubella-crs-20130424.html http://www0.nih.go.jp/niid/idsc/idwr/diseases/rubella/rubella2013/rube13-18.pdf

 ただ、全国統計では16週をピークとして18週(4月29日~5月5日)は減少していますが、大阪は19週で18週の約2倍の発生数が報告されており、国内で今最も風疹が拡散している地域ともいえるようです。公共交通機関を介して、周辺の都道府県にも拡散し、まだまだワクチン接種の抑止力に期待がかかる地域となっています。現在報告されている発症者の約7割は20歳~50歳未満の男性で、やはりこの理由はワクチン未接種のようで、女性では18歳~30歳未満の報告数が主流となっています。インフルエンザと違い治療薬がないだけに、ワクチン接種による感染予防が唯一のCRS発症予防策であり、妊娠する可能性のある女性のみが対象ではなく、公衆衛生のマナーとして男女の差なくワクチン接種を決められたガイドライン通りに受けることが今後ともに重要です。遅まきながらの接種費用に対する行政援助(5月中旬の時点で残念ながら大阪府内は7自治体に留まっています)といえども次期の流行に対しても無駄なことではなく、この機会にワクチン後進国といわれている日本において一種のウイルス感染に対してでもリスク低減に努力を惜しんではならないでしょう。

ワクチン接種は 今でしょう! One for all, all for one

 

 黄色字見えにくいですね。昭和54年4月2日〜昭和62年10月1日生まれ
                  昭和62年10月2日〜平成2年4月1日生まれ です。

 前半のゴールデンウイークには弊社の創業祭が貝塚の二色の浜海浜緑地で開かれました。毎年恒例で今年もお天気に恵まれ、200人近くの従業員ならびに家族でバーベキューを楽しみました。田端社長と秘書を中心に常務と私の加わるグループが数種類のミニゲームで班総合優勝です。年齢よりも経験による工夫に技ありだったのでしょうか、大縄跳びでは私と常務で綱を廻し、5人の飛ぶタイミングがまとまっていたことと、微妙に調整しつつ縄の回転軸を飛ぶ人の位置ずれにあわせた相乗効果で、社長も飛んでなんと24回のダントツな成績を納めました。その後はこれも恒例の私の凧揚げ。程よい風を受けて処女飛行に成功したのはKirin Dragon Kite。この風では50ポンドラインは少し重すぎたかもしれませんが、タコ両脇の可愛いヒレがはためくのが愛嬌で、30フィートのテールまでが悠然と空に浮かび踊り舞いました。次回はデルタカイトに挑戦予定です。

 

 

 後半の4連休は約50年ぶりに小豆島、高松、倉敷を巡って来ました。カミサンは初めて。覚悟はしていたものの阪神高速神戸線から第二神明の大渋滞を抜けるために約2時間を要しました。淡路島に向かう車が多く、名谷辺りから加古川〜姫路バイパスは止まることなく走ることができ、ハラハラしながらも姫路—福田フェリー出発の30分前に到着することができたのです。小豆島福田港からは丸金醤油、寒霞渓、オリーブ園そしてエンジェルロードを巡ります。続きは次回。

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